膝の痛み
膝の痛み

膝は歩行や立位、階段の昇降、走行など日常生活のほぼすべての動作で重要な役割を果たす関節です。そのため、膝に痛みや違和感が生じると、生活の質や運動能力に大きな影響を与えます。痛みを放置すると関節の変形や筋力低下、歩行障害につながることもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。ここでは、膝に関してよく見られる疾患や症状、原因、特徴、そして治療の考え方について詳しく解説します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や関節の使いすぎ、肥満などによって膝の軟骨がすり減り、関節の変形や痛みを引き起こす疾患です。初期は歩行や階段の昇降で軽い痛みを感じる程度ですが、進行すると安静時の痛みや膝のこわばり、可動域制限が生じます。治療はまず生活習慣の改善、膝周囲の筋力強化運動、体重管理を中心に行います。鎮痛薬やヒアルロン酸注射による疼痛管理も行い、症状が進行し日常生活に支障をきたす場合には、関節鏡手術や人工膝関節置換術などの手術療法が検討されます。
半月板損傷
半月板は膝関節の安定性と衝撃吸収に関わる組織で、損傷すると膝の痛みや腫れ、引っかかり感、動作時の違和感が生じます。スポーツでの捻挫や加齢による変性が原因となることがあります。治療は安静保持、鎮痛薬の使用、膝周囲の筋力強化を中心とした運動療法が基本です。症状が強く、関節の動きに支障をきたす場合は、関節鏡を用いた半月板部分切除や修復術が行われます。
膝蓋腱炎
(ジャンパー膝)
膝蓋腱炎は、膝の前面にある膝蓋腱に炎症が生じる疾患で、ジャンプやランニングなど膝に負荷がかかる動作で痛みが増強します。原因はスポーツや過度の運動による腱の負担です。治療は安静や鎮痛薬、膝を支える装具の使用が行われ、さらに腱や大腿四頭筋のストレッチ、筋力強化を組み合わせることで炎症の軽減と再発予防を目指します。改善が不十分な場合は、局所注射や手術による腱処置が検討されることもあります。
前十字靱帯損傷
前十字靱帯は膝関節の安定性を保つ重要な靱帯で、スポーツでの急な方向転換やジャンプ着地で損傷することがあります。膝の不安定感や痛み、腫れが生じ、放置すると関節の変形や半月板損傷を引き起こすことがあります。治療は損傷の程度や生活活動レベルに応じて選択され、軽度の場合は膝サポーターや筋力強化運動による保存療法が行われます。スポーツ復帰や生活の安定性を求める場合は、靱帯再建術などの手術療法が検討されます。
鵞足炎
膝内側の鵞足部(縫工筋、薄筋、半腱様筋の付着部)に炎症が生じる疾患で、歩行や階段昇降時に内側膝の痛みが出ることがあります。原因はスポーツや運動の繰り返しによる腱への負担です。治療は安静や鎮痛薬、ストレッチと筋力強化を組み合わせ、腱への負担を軽減します。症状が改善しない場合は、局所注射や理学療法を組み合わせた保存療法が行われます。
日常生活では、膝に過度な負荷をかけない姿勢や動作を意識することが慢性痛予防に重要です。長時間の立位や階段昇降、スポーツの際には適度な休憩を取り、膝周囲のストレッチや筋力強化運動を取り入れることが効果的です。体重管理も膝関節への負担を軽減するために重要です。痛みが強い場合は温熱療法や湿布で血流改善を行い、関節周囲の筋肉の緊張を和らげることも有効です。
膝の痛みや腫れ、動作制限が日常生活に支障をきたす場合、歩行時の痛みや階段昇降の困難、膝のぐらつきがある場合は、早めに整形外科で診察を受けることをおすすめします。早期に原因を特定することで、保存療法やリハビリを適切に行い、症状改善や再発防止につなげることが可能です。
変形性膝関節症や半月板損傷、靱帯損傷などは進行すると手術療法が必要になる場合もあるため、症状の初期段階での受診が重要です。当院では、精密な診断から保存療法、必要に応じた手術やリハビリまで一貫して対応し、膝の痛みや機能低下の改善と日常生活の質向上をサポートしています。
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